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わが家の備えを万全に
―第2回(備える)―

私たちが生活している日本では、さまざまな災害が発生します。地震、津波、豪雨による洪水や土砂災害など。皆さんの災害への備えは、果たして万全でしょうか?自分や家族の命を守るためには事前の準備と行動が大切です。そして、安全・安心は準備に比例します。全4回にわたる本連載では、防災システム研究所所長の山村武彦先生に、今すぐ防災対策を行うことの重要性を伺いました。第2回は、家の耐震化や備蓄など、「日頃から備えておくポイント」についてお伝えします。

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建物と室内の耐震対策で備えよう

■耐震診断・耐震改修

熊本地震や能登半島地震の際、2000年以降の新々耐震基準建物の被害は軽微でした。そこで、2000年5月31日以前に建築された建物は、念のため耐震診断を行い、必要であれば耐震改修を行いましょう。
耐震診断や耐震改修費用の補助金制度がありますので、市区町村の防災課か建築課にご相談されると良いと思います。

■ガラス飛散防止フィルムを貼る

ガラス飛散防止フィルムは、強風時の飛来物衝撃防止、省エネ効果、防犯効果、UVカット効果もある一石五鳥の優れものです。窓ガラスだけでなく、食器戸棚やドレッサーなどのガラスにも貼りましょう。貼付済でも10年以上経つと劣化しますので、貼り替えが必要です。

■家具は複数カ所で固定

「固定していた家具が地震で倒れた」というお宅を見せてもらうと、突っ張り棒が天井にめり込んだり外れたりして、家具が横倒しになっていました。天井の強度が弱ければ、突っ張り棒だけでは効果がありません。もし、突っ張り棒を使うのであれば、写真のように天井に当て板にあててから固定し、さらに家具の両側から別の転倒防止用器具で固定します。固定した後、ゆるみがないか時折確認するとよいでしょう。

一番倒れたのは本棚

阪神・淡路大震災で住宅内部の負傷原因は家具などの転倒落下が、ガラス29%、その他18%、家屋の倒壊3%、不明4%でした。そのうち一番多く倒れた家具は本棚で、次いで食器棚、洋たんす、ピアノの順です。
特に重い家具や電化製品は、一カ所だけでなく、必ず複数カ所を複数種類の器具でしっかり固定してください。

■戸棚に留め具・重いものは下に

両開きの食器戸棚などは揺れで開いて食器が飛び出さないように耐震ラッチや留め具を取り付けます。
年に一度は、家族総出で防災大掃除を行い、重いものは下に置くなど整理整頓を行いましょう。

非常用飲料水・食料を備えよう

■水・食料は7日分

以前は「水・食料の備蓄は3日分」といわれていましたが、3日で物資が行き渡る災害は小規模災害です。小規模災害であれば、すぐにインフラも復旧し物資も流通します。
災害に備えるというのは大規模災害に備えることです。大規模災害であれば道路、交通機関、インフラが復旧・機能回復し、物資が流通するまでには相当な日数がかかります。
支援物資の到着やライフラインの復旧まで自力で生活を維持するためにも、水や食料の備蓄については、最低でも7日分を推奨しています。

■たんぱく質や食物繊維が不足する

発災直後、被災地で配布される食料の多くが、おにぎりや菓子パンなどの炭水化物類です。その結果、たんぱく質、食物繊維、ビタミン類などが不足し、便秘や不眠になり健康な人でも体調を崩しやすくなります。
非常食の備蓄は栄養バランスと健康に留意することが大切です。備える際は、非常食備蓄5原則を参考にしてください。

■クッキーや嗜好品も非常食になる

いざという時、クッキーなどでも非常食になるものがあります。期限や栄養バランスなどを事前に確認しておくとよいでしょう。

防災備蓄は「ローリングストック法」で

■普段使っているものを少しずつ余分にストック
肩に力を入れて「非常食」を備蓄し、気づくと期限切れになっていることがよくあります。防災備蓄はさりげなく、日常生活の中の一部として行う方が自然です。普段使っている水や食料を少しずつ余分に購入し「先入先出」で、使った分だけ買い足していく。それがローリングストック法です。購入時に消費期限をマジックで書いておくとさらに分かりやすいです。

①備える
必要な非常用食料数量を決め、戸棚などにストックしておきます。まとめて一度に買わず、消費期限がずれるように少しずつ買い足すのがコツ。

②食べる
月に2回を目安に非常食を食事に取り入れます。消費期限の古いものから食べましょう。

③補充する
食べた分を早めに補充し、非常食の数量を確保しておきましょう。

①蓄える→②食べる→③補充する→①蓄える…を繰り返しましょう。

備蓄食料チェックリスト

非常用飲料水備蓄の1人分目安/1日3ℓ×7日=1人21リットル
非常用食料備蓄の1人分目安/1日3食×7日=1人21食分
※食品の内容は一例です。これを目安に、家族の好みに合わせて食べ慣れたものを揃えましょう。

「東京備蓄ナビ」も参考に

東京備蓄ナビ」は災害に備え、ご家庭での備蓄を促すWEBサイトです。3つの質問に答えるだけで、各家庭に必要な備蓄品目・必要量がリスト表示されますので、参考にしましょう。また、備えに役立つ記事・防災や備蓄に関するリンク集なども紹介されています。

家庭に備えたい防災用品チェックリスト

停電に備える乾電池は、懐中電灯用、ラジオ用、スマホ充電用など、機器に合わせた電池1週間分を基本在庫として、使用したらその分買い足すルールを家族で申し合わせましょう。

カセットコンロとカセットボンベの使用期限

一般社団法人日本ガス石油機器工業会が推奨する使用期限の目安は、材質や部品などの経年劣化を懸念しカセットコンロ10年、カセットボンベ7年としています。

非常用トイレを備える

断水で一番困るのはトイレです。大便は1人1日平均1~2回、小便1人1日4~8回の排泄回数が目安です。非常用トイレは容量や商品によって異なりますが、排泄袋は2~3回ごとに交換し、保管袋に入れます。最低でも1週間分の非常用トイレ備蓄が必要。排泄物はごみ回収が再開されるまで自宅で保管します。トイレットペーパーや凝固剤・消臭剤も忘れず備蓄しておきましょう。

【自宅での非常用トイレの使い方】

ゴミ袋と新聞紙などを利用した、自宅の便器での非常用トイレの使い方です。ポイントはゴミ袋を2枚(半透明と黒)使うこと。換気扇が動かない場合に備え、消臭剤・防臭袋や一時保管用の密閉容器も用意しておきましょう。

便座を上げ、大きなゴミ袋(半透明)をかぶせたら、ふたたび便座を下げて固定します。
 底の水はそのままで。

便座の中にゴミ袋(黒)※を広げて入れます。袋の大きさに余裕があれば便座の上からかぶせて。
※中身が見えないレジ袋などでもOK

凝固剤、またはちぎった新聞紙、紙おむつなどを入れます。ペットシートを活用してもOK。

用を足したら、上の袋(黒)を縛って別の袋にまとめ、消臭剤と一緒に保存。自治体の指示に従い処分を。

参考:『もしものときに役立つわが家の防災ハンドブック』(家の光協会発行:山村武彦 監修)

非常用持ち出し袋を家族分備える

非常用持ち出し袋は家族の特性に合わせ家族分準備します。例えば高齢者であれば、予備の老眼鏡・持病の薬・紙おむつなど、子ども用にはクッキーやキャンデー、乳児であれば哺乳瓶や粉ミルクなどをお母さんの袋に。
避難所に救援物資が届くまで数日暮らすことを前提に、衛生管理や感染症予防を含めて中身を考えます。
ただ、あまり詰め込み過ぎると重たくなってしまいますので、それぞれの体力に合わせたコンパクトで軽いものを選び、余裕で移動できる重さが望ましいでしょう。そして、避難所の中でも貴重品などは肌身から離さないように、ウエストポーチを準備します。

「共済」「保険」で備える

■公的支援金だけで生活再建は困難

準備や対策をしていても、限度があります。万一想定を超える災害に襲われれば、建物や家財が浸水・損壊・流失・滅失するおそれがあります。
大規模災害発生時、被災者には国の「被災者生活再建支援制度」など一定の公的支援制度がありますが、受け取れる支援金は全壊でも最大300万円。それだけで住宅や生活の再建は困難です。そのため「自助」で備えておくことが大切です。

■全壊・半壊・一部損壊頼りになるのは共済や保険

被災した時に、頼りになるのが共済や保険。火災、竜巻、地震、水害、台風、降雪、盗難など、損害保険会社や共済組合などによる様々なメニューがありますので、今のうちにわが家にあった補償を選び備えましょう。
共済や保険を備えて自助しておくことで、いざという時の心強い味方になってくれます。
すでに加入済の場合も、念のため補償内容などを確認しておくと安心です。

※この記事は、都道府県民共済グループ発行「命を守る防災ハンドブック」の抜粋です。
内容は、執筆時点2025年7月30日のものです。

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